6月23日(日)竹駒地区コミュニティセンターにて「伝説『鮭のおおすけ』の考察」を開催しました!
当日は雨の中にも関わらず、13名の方にご参加いただきました。
今回は竹駒地区コミュニティ推進協議会と共催という形で企画を実施。
竹駒ふるさと講座の一コマとして、地域に伝わる民話や伝説について学びました。
「みんなでつくったたかたの教科書」ではあまり民話や伝説をとりあげられませんでしたが、実は各地区の歴史の部分で少しだけ触れているんです。
その中で、今回取り上げたのは竹駒町の羽縄(はなわ)家に伝わる「鮭の大助」
竹駒地区コミュニティ推進協議会事務局の大坂俊也さんを講師に「鮭の大助」の考察のほか、竹駒地区の民話などについてお話いただきました。
◆羽縄家に伝わる「鮭の大助」
~~あらすじ~~~
羽縄家の主人は、子牛をさらう大鷲を撃つため牛皮を被り待ち構えていましたが、なんとそのまま大鷲にさらわれ遠い遠い南の島に降ろされてしまいました。困り果てた主人の前に現れたのは「鮭の大助」。鮭の大助の背中に乗って、主人はなんとか家まで戻ってくることができました。
それから代々羽縄家では、毎年10月20日になると鮭が有住の角枯渕(つのがれぶち)まで卵を産むために自由に登れるように「鮭留め」を開いておき、お神酒や供物などを鮭漁場にささげて礼をつくしているそうです。
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竹駒地区の方には割と馴染みのあるお話。
小学校などで取り上げているところもあるようです。
鮭にまつわる民話や伝説は東北地方や新潟・北陸地方に多くみられるようで、ここ気仙地域でも「鮭の大助」の他にいくつかの鮭の話があるそうです。
※竹駒町にある羽縄観音堂
◆様々な資料からみる「鮭のおおすけ」
講師の大坂さんには、竹駒村史や陸前高田市史、聴耳草子など様々な資料に掲載されている「鮭のおおすけ」の文章の紹介をしていただきながら、家の屋号の違い、行きついた場所や川の名称の違いなどを表や写真などを使ってわかりやすく解説いただきました。
実は、今回のタイトルが「おおすけ」とひらがなな理由も、地域によって「大助」「大介」「王助」と違いがあるからなんです。
特に新潟や山形など日本海側に伝わる「鮭の大介」のお話は、内容も異なり大介の「おおすけ、こすけ、いまのぼる」という声を聞くと死んでしまうんだとか……ちょっと怖いですね。
こうやって資料を見比べていくととても奥深いです📚
後半は「この話に出てくる場所はもしかしてここではないか」と関連する場所や資料なども紹介していただき、想像が膨らむ楽しい時間となりました。
今回は地元の方の参加も多く、馴染みのあるお話や地名にみなさん「うんうん」とうなずきながら聞いていましたよ。
民話や伝説は、その地域で暮らす人々が語り継いできたもの。
大坂さんは「こういった民話や伝説を自分なりに育て、自分の言葉で語り伝えていくことが大事。相手に伝わりやすい言葉で語り継いでいけたらいいんじゃないかな」と講座を締めくくりました。
今回の資料の違いなどからもわかる通り、語り継いでいく中でお話は微妙に変化しているようです。それは地域性もあるかもしれませんが、表現などの細かい部分に関しては、伝える相手(自分の子どもや孫など)によって少し変えたものが現在に残っているのかもしれませんね。
最後は学びの記念に集合写真をパシャリ📷
みなさんとてもいい顔してます☆彡
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今回は今年度第1弾の「みんなでつくったたかたの教科書」関連企画として、民話や伝説を通して地域のことを知る講座となりました。
参加した方からは「ふるさとにちなんだ伝説の背景を知ることができて良かった」「知識が多く面白かった」と感想をいただき、濃い内容にみなさん大満足だったようです。
なかには「久しぶりに鮭の大助を聞いた」と懐かしむ方もいらっしゃいました。
大人になるとなかなか民話などに触れる機会がないので、こういう場は大事かもしれないですね♪
他の地区の民話や伝説について考察してみるのも楽しそうです☆
おすすめの民話や伝説があるよという方はぜひ教えてください(^^)/
みなさんも自分の住んでいる町の民話や伝説を調べてみてはいかがでしょうか?